| 私が仕事を始めて3年目くらいのことでした。 お店のご主人が持って見えたのですが、天皇陛下のお使いになっているペン立ての中板に割れが入っていました。 25cm×18cm位の大きさですが、紫檀の板が割れて中心部に隙間があいていました。 父 次三郎が「よく木が乾燥していなかったため割れが生じた」と言っていたのを今でもはっきり覚えております。 四ヶ所は銀製の足がついていてシンプルで品のいい品物でした。 隙間は真直ぐにあいているのではなく木目に沿って不自然にあいているのを ものの見事に直してしまい割れた跡など分からないくらいでした。 父の凄さに感心したのはその時が初めてだと思います。 私の思い出でもあるこの修理したペン立ては今でも皇室で使われていると思います。 |
| 私が22〜23歳頃のことです。 やはり、お店のご主人が見えて吉田茂氏があるデパートで「葉巻入れがない」 とおっしゃった事ですぐに制作の依頼があったそうです。 注文内容は本人の使っている葉巻を切るシガーカッターを持ってきて、 シガーカッターが葉巻入れの横に入るようにするとの事でした。制作には周りには銀を巻いた装飾で中はチーク材を使い蓋は1枚のみで 25cm×20cm×深さ5cm位だったと思います。品物が出来上がり、届けに行ったところお店のご主人が上等と言って褒めていただきました。 若い私は大変嬉しかったのを覚えています。 その後、吉田茂氏の遺品店でその品物がテレビに映った時は驚きでした。 |